書籍と音楽は収拾がつかなくなると思いつつ、せっかくなので取り組もうかという気持ちもある。とりあえず、リストする試みをしてみた。クラスターというか、傾向は現れたと思う。
『りかさん』(梨木 香歩)
今のところ、小説の中で最も好きな本。『西の魔女が死んだ』も『裏庭』も甲乙つけがたいが。
『キッチン』(吉本ばなな)
吉本ばななは実はあまり好きではないのだけれども、本作はとても好き。
高校生の頃にむちゃくちゃぶっ飛ばされた。これから春樹をマークするようになった。ちなみに、村上 龍だと『コインロッカー・ベイビーズ』か『愛と幻想のファシズム』。
『僕に踏まれた町と僕が踏まれた町』や『ガダラの豚』も良いが、本書がらもの最高峰と思う。
娯楽小説の中での最高峰の一つ。娯楽小説としては山田風太郎の名も浮かぶが、色川武大|阿佐田哲也を推す。
『鍵』(谷崎 潤一郎)
ものすごく変態でとてもよい。川端にも似た傾向の良いものがあるが、本書がこの系統の中では最高峰。
表現できない。漱石、芥川、百痢太宰、鏡花の辺りの小説はだいたい好き。
『悪童日記』(アゴタ・クリストフ)
むちゃくちゃ良いのだが、良さを表現できない。その後2作書き継がれ、結果的に三部作になっているのだけれども、本書だけで独立して読める。
それほど多作な人ではないが、どれも好き。派手ではないが、アメリカ文学の中で最も好き。技巧がものすごいアーヴィングにも似たものを感るけど、ヴォネガットの方が優しい。
SF。SFでぶっ飛ばされた初体験。これからSFを好んで読むようになった。SFで好きなものを挙げると切りがない。素晴らしいことに、有名なものはたいてい面白い。例えば、『夏への扉』とか『星を継ぐもの』とか『影との戦い―ゲド戦記』とか『あなたの人生の物語』とか。他にも名前を挙げたいものは多々あるが、SFは切りがないのでこの辺で。
『鋼鉄都市』(アイザック・アシモフ)
SF。とても面白い。アシモフのロジカルで善良なプロットが好き。このあと続編が書き継がれ、ファウンデーションシリーズに繋がっていくのだけれども、本作単体で読める。
『黒後家蜘蛛の会』シリーズも良い。
『渚にて』(ネビル・シュート)
世界の終わりもの。穏やかでひっそりとした終末。SFに分類されることもあるが、そうではないと思う。
『モモ』(ミヒャエル・エンデ)
小説じゃなくて童話じゃないかという指摘もあるかもしれないが。大学に入学して下宿させてもらったとき、数冊持って行ったのが『はてしない物語』と『モモ』だった。
心理小説。もの思う人とそうでない人がいると思う。ミステリをこれしか挙げないことにも違和感を覚えるが、切りがないのでまあよし。
『悪霊』(ドストエフスキー)
『カラマーゾフの兄弟』も良いが。総合小説とも呼ばれるが、キャラクター小説だと思う。
耽美。ワイルドは『幸福な王子』とか『わがままな巨人』とかもむちゃくちゃ泣けて良いのであるが。
ファム・ファタール。運命の女。シュバリエ・デ・グリューがしょぼすぎて気の毒。なぜか、トマス・マンやヘルマン・ヘッセも連想する。マンなら『トニオ・クレエゲル』、ヘッセなら『荒野のおおかみ』か『知と愛』。
『失楽園』(ジョン・ミルトン)
ピカレスク・ロマンの最高峰。誇り高く威風堂々と堕罪し堕天したサタンが主人公。多分。
『リア王』(ウィリアム・シェイクスピア)
小説じゃないけど。『マクベス』も良いが、リア王の呪詛が素晴らしい。
作品同士が有機的に繋がっていて、一つの作品を語ることは他の作品を語ることにも繋がり整理しにくい。ジャンル分けした方が良いのかもしれない。例えば、SFとかミステリーとかにジャンルを分ければ、他にもたくさんの作品の名前を挙げてもよかろう。
とりあえず挙げてはみたが雑然としている。この手のリストは短ければ短いほど良いと思う。リストすることは切り捨てることだと思うのだけど、書籍に対する思い入れが強すぎて難しい。