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『タマや』(金井 美恵子)

タマや (河出文庫)
タマや (河出文庫)
posted with amazlet on 08.02.28
金井 美恵子
河出書房新社 (1999/06)
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目白四部作の二作目。

写真家の青年が会社が倒産してフリーになって、変な人たちと押し付けられた猫のタマと一緒に、庭に八重桜のある紅梅荘で過ごす。

写真家はいいやつ。「ネエネエ、あたし死ぬんじゃないかしら」と物悲しく鳴くタマに、「こういう時、お前がしっかりしなくてどうする、というい言い方が悪い影響をウツ状態の」タマに与えることを慮って、「タマはいい猫だから死なないよ」といって慰めるのだし、自分の厄介ごとについて、「めんどうだねえ、タマ」とため息もつくのである。ダメな奴だけど良いヤツだ。

金井美恵子の特徴は語り口。地の文が口語体となって、台詞と溶け合い、主語と述語が混ざっていく。

実験小説であるわけではなく、美麗な文体という印象も持たないが、俗で繊細と思う。小説として面白いのがすごい。

ほんとは、小春日和の桃子と花子の十年後を描いた『 彼女(たち)について私の知っている二、三の事柄 (朝日文庫, 2000年)と『快適生活研究』(朝日新聞社, 2006年)がある。前者は、残念ながら絶版。

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